10GHz周波数カウンタ
過去使っていた自作周波数カウンタの不満を解消すべく3代目のカウンタを作りました。
周波数カウンタに要求される仕様とは?
1、精度:10GHzで1KHzを見たいなら10-8乗は必要でしょう。そのため4MHzOCXO(瞬時-8乗の性能)と
   ビデオ色同期信号を基準クロックとして使う。 ビデオ色同期信号から10MHzを作る回路は市販(秋月)キット
   を使いましたが、10MHzの自励発振では純度が悪いのでVCXOに回路を変更しました。
2、桁数:まあ8桁もあればよいのですが、CPLDを使いましたので11桁入っています。回路変更にはんだごてが
  不要なのがCPLDの良いとこです。
3、基本カウンタの最高カウント周波数:とても重要です。測定時間の短縮のためにも高い方がよいのですが、
  CPLDに非同期カウンタを組んだところ140MHzぐらいまでカウント可能でしたので、基本カウンタを100MHzとし
  あとはプリスケーラとの組み合わせとしました。
  CPLDに同期カウンタを組み込むと最高周波数は半分以下になります。
4、プリスケーラ:分周数は少ないほうが測定時間の短縮のためにもよいので800MHzを1/8、4GHzを1/64
  10GHzを1/128としました。
5、直読:プリスケーラの分周数にあわせてゲート時間を変更すればすべての周波数を直読可能です。
  基準クロックは100KHzあればあとは分周の細工ですべてのゲート時間を生成可能です。
  100KHzは4MHzまたは10MHzの基準クロックから作ります。
6、ゲートパルス:これは不満の多いところで、安価なキットでは1秒測定しては1秒待つというような無駄な時間を
  浪費しています。理由は簡単ですが、今回はゲートパルスをワンショットで発生するようにしたので待ち時間を
  極力減らせました。
7、表示:LCDとし、周波数以外のプリスケーラ、ゲート時間も表示します。さすがにこれをCPLDで作る能力はない
  のでPIC16F873でコントロールします。
8、データ出力:せっかくPICを使うのですから、RS232Cでデータを出力できるようにします。
9、ゲート時間:周波数を見ながらトリマを回すのでしたら、毎秒10回程度を最速としこれより早い必要はありません。
  切り替えは4つとしたので100MHzなら0.1秒、1秒、10秒、100秒としました。クロックが安定ならば100秒レンジ
  でパソコンにデータを出力すれば高精度で連続測定可能です。
フロントパネル

5つの入力はコネクタとしました。ほんとは切り替え
リレーにしたいところです。

ロータリーSWはゲート時間の切り替えと入力の切
り替えです。

リアパネルにはデータ出力用Dsubコネクタと
基準クロック10MHz/4MHz切り替えSWがある


心臓部

PIC16F873とXC95108-15です。

CPLDはオンボード書き換え可能でカウンタ機能
を詰め込みました。使用率80%ぐらい

PICは主にLCDのコントロールに使っています。
黒いのは4MHzOCXO
安定するまで30分ぐらいかかる。

ビデオ色同期信号から10MHzクロックを作る回路

オリジナルの10MHz発振部をVCXOに改造した。

10MHzを受信機で聞いているとビデオ信号が入ると
10.000MHzに引き込まれるのがわかる。
入力アンプ、プリスケーラ部
1MHz:2SK241+2SC1815+74HC14
100MHz:2SK241+2SC3356+74AC14
800MHz:ERA1+TD7104+Tr+74AC14
4GHz:ERA1+uPG1505+Tr+74AC14
10GHz:FMM1103VJ+uPB581+TD7104+Tr+74AC14

SG等でチェックしましたが結構高感度に仕上がりました。
AFから10.5GHzまで見えないところはありません。

あとは1MHz(AF用)をレシプロカウント方式(カウント値の
逆数から周波数を求める)にすれば完璧ですが、
まあそのうちということで。(PICとCPLDを書き換えれば
済むのですが)