妥協のOCXO

マイクロ波用トランスバータの局発は精度、安定度共に良くなければいけない!
なんて変な思い込みでOCXOを自作しようと長いこといじっていたのですが
よく考えて見ればこんなことに時間をかけるのはどうかと.........最近気がつきました。
だって、最終目標はQSOする訳では無いのですから。
まず相手がいない!  だからスペアナとかパワーメータを振らすことだけが目標!  
ということに気がついたのです。
だから周波数なんてちょっとばかり動いたって良いのです。


そんなわけで決着をつけることにしました。  わずかの回路図と気がついたことを書き留めておきます。

@ 最後の回路はこちら   サーミスタは10KΩ at 25℃
A オーブンコントロールの回路はオーブンの外に置く。ヒーター用トランジスタとサーミスタだけをオーブンの中に置く。
B 発振回路はバトラーで、DF9LNとかのものまねです。
C 心臓部の水晶はHY-Q製 50℃オーブン用で作ったものです。
   最初は国産の温度無指定品だったのですが、こういう用途に使えないひどいものでした。
D オーブンの温度を何度にするか?が一番のポイントです。
   今回は当然50℃がベストと思ったのですが、どうも少し低めの方が安定しているようだ。理由は不明。
   以下のサイトが参考になります。
     http://www.isotemp.com/146-005.html
     http://www.vectron.com/products/appnotes/ocxos.htm
   要するに ”upper turnover point”  に設定するわけです。
E 周波数カウンタの基準クロックはマイナス9乗とかそれ以上の精度が必要です。
F エージングは必要です。
G 今のところ周波数は時間とともに僅かに上昇する傾向にあります。
   電源は1年中入れっぱなしにすべきとは思いますが。


結果は、
 調子が良ければ1時間の間に10のマイナス8乗以内の変動で収まり、
 8時間で100Hz(2.4GHzにおいて)以内の変動、
というところです。


安定度は実験を始めたころより格段に向上しました。
なぜこんなに回り道したかと反省すれば、不安定水晶に振り回され、発振回路、オーブン回路におかしな部品を
使いそれがわかるまで長かったとかです。


周波数の精度は気にしないことにしました。
親機の表示に端数があろうが気にしません。外付けの表示器が補ってくれます。

中央は2重に断熱し、アクリルケースに入れたOCXO
左は  24逓倍部 と BPF
右は  IF用回路


24逓倍後の2.3GHzではこんな感じです。
C/Nなんてどうでもいいです。 QSOするわけではないですから。
それでもPLLよりは良いはずですが。
4つのLoを2つのケースに入れて終わり。
2.3GHz出力のLoユニットという構成にした。


出力レベルは+8dBmから+14dBm、不要なスプリアスは-60dBc以下。

安定度は電源ONから5時間後に 約2.3GHzで100Hz以内(1時間あたり)
の変動となった。(10のマイナス8乗台!)

電源OFF後翌日とか再度ONしたときに前の周波数に戻るか?
 2.3GHzで100Hz以内に戻りそうである。 このあたりは長期のエージング
 をしないと何とも言えない。


無停電電源で1年中ONしておくことが理想です。