【やってみたかった】 球式432MHzアンプを作る 2024年夏 | ||
昔、1970年代とか80年代のUHFの教科書には必ず載っていた4CX250Bを使った432MHzアンプをつくってみた。 いつか作ろうと集めた部品があったわけで、しかし作り始めれば結局また購入する部品の方が多くなるのだが。 あえて避けていた4極管GKアンプで、面倒と言いながらCG、SG電源をつくったりとまあまあ楽しめました。 なぜこれか?といえばプレート側が1/4波長共振回路でコンパクトなアンプができそうだったからです。 しかしブロワーを大きくしたりで結局はあまり小さくなりませんでしたがね。 昔はこれを432MHz50Wアンプの製作記事として載っていたのだが、過酷な使い方をすれば200W以上出る中途半端なアンプです。 国内でも数社が作り、かなりの方が使っていたんでは? さて要点ですが、 1,とにかくSGのバイパスが重要です。EIMAC,JHONSONのSGバイパスC付きのソケットを使い、端子とかにもバイパスCを つけます。 2,プレートバイパスコンデンサは耐圧に注意します。PTFE、カプトンなど。 このC容量を下げればキャビティの共振周波数を上げれます。(最後の手段として) 3,使い方によってはCG,SGは電流が流れることも考慮して。 4,4CX250Bに必要な風量、風圧を考慮してもやはりソケット部を抜ける抵抗が大きく不安です、プレート側に吹き込むことを考え なければいけません。 |
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プレート側キャビティ ジョンソンのソケット(SGバイパスC付き) 出力はカップリング チューンはフラッパとし外から押している プレートバイパスキャパシタは最終的にかなり厚くなっている t0.1PTFEシート3枚+カプトンテープ1枚 |
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カソード側 G1−電線−5Pバリコン-アースとし1/2波長同調回路 入力はBNC−電線−バリコン−アース とし同調回路に添わせ リンクさせている アンプとしてのゲインはあまり求めていないので効率は無視して こんなものでも問題なく動いている。 |
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作るだけで使う予定がないのでこんな感じで動かして終わり。 SG、CG電源は5Wツエナーを使ったシャント電源とした。 20mA程度は使えるようにしている。 ブロワーはカソード側から吹き込んでいるが、ソケットの抵抗が大きすぎるので 一度外に出し、プレート側に横から吹き込んでいる。 電源、ファンのシーケンスはPICマイコンで作った。 ヒーターを入れてから30秒後高圧、その90秒後から使用可能 高圧が無い状態でSG印加して送信してはいけない。SGが瞬時に蒸発する 電源OFFしても2分間はファンを回す。 厳密にはもっとあるが、最低限高圧の無い状態で送信できないようにすること。 |
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出力カップリングは出し入れして調整後ホースクランプで固定。 出力はバード電力計で測定。ダミーはHFから2m用のものに3D2Vを10m つけてアッテネータがわりとした。 |
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カップリングコンデンサ 銅パイプ、黄銅丸棒、テフロン、Nコネクタ改で インピーダンスは50Ωぐらいで設計する |
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一度は作ってみたいと思っていたが完成することができた。 HV1750V 250mA VCG-64V VSG310V ICGわずか ISG数mA で出力210Wぐらい 1700V 300mA で230Wぐらいは出た。効率は良い時で50%だがなかなか難しい 規格表通りにつかうならIP250mA以下、損失250W以下、IG1はほぼゼロ、IG2は数mAで まあ150から200Wぐらいにしておけばと思う。 結局冷却がすべて。今回は熱風が出るしまだ風量が足りない感じ しかし、指定のソケットを使い良く吹き込んでも全然不足しているように感じる いくら球が200度以上まで大丈夫と言われても無理する気がおきない。 今時4CX250Bを432MHzで使うことはないと思うし、もし球を使うならもっと良い球がたくさんある。 30から40年前は432MHzEMEといえば4CX250BパラのK2RIWアンプが安くでき人気だった 先輩諸氏の試行錯誤でとにかくプレート側に吹き込む風量アップの努力がなされ さらに限界への挑戦がなされた。 プレート電圧2千数百、SGを上げIPもグリッド電流もすごく流し、出力は通常の500W程度の倍以上出すことに 成功された方もおられたようだが最近はどの程度の出力が必要なのか?どんなアンプが主流か? などまったくわからない。 キャビティを開けて送信するとか絶対ダメ。輻射に気を付けること |