【やってみたかった】 球式HFマルチバンドリニアアンプを作る                2024年春
 
球式HFマルチバンドリニアアンプを作って見たかったのだが諸々の部品の入手に問題があることは承知しており
なかなか実行に移せなかったがついに手をつけてみた。

デバイスは在庫豊富だったロシア球GI7bを1本、プレート損失350Wなので自作の部品でもそんなに無理が無いだろうということで。

GI7btと自作ソケット、フィラメントチョーク  GI7bとGI7btの違いはセラミック部の太いのがbt、tはタンク(戦車)用ということ


  入手難1 プレートRFC

この部品は技術的難易度でも上位にくるのだが

1,結構なインダクタンスが必要である。プレートインピーダンスの数倍必要とか
 いや、タンクコイルとの比率だからそんなに必要ないとか。

2,たくさん巻けば今度は直列共振の(ホール)がバンド内に現れ共振で燃えだす。
 ホールをバンド外(30MHz以上)にもっていけばインダクタンスが小さくなる
 上手くバンドとバンドの間にホールを持ってくるという芸当は無理。

3,市販品が無いわけではないが、ホールをバンド間に置いておく自信は無いし


悩んだ末最終的には60μHのコイルを3つ作り
ハイバンドは1個だけ使い、2個はショートする  ホール35MHz
ローバンドは3個全部直列にする。 ホール16,23MHz
3つで180μHとなった。

60+120はだめ60+60+60のこと。2個ショートの場合は中間もショートのこと

VNAは必須です。画面見ながら何が起きているか確認のこと。
 
これは昔の球式100WトランシーバーのRFC(たぶんTS520とか820)

この60μH無いRFCで3.5MHzとかでも使っている。もしかしたら1.9MHzも?



自作したのはローバンドはこの3倍のリアクタンスとなっている

    入手難2 バリコン

耐高圧のプレートバリコンと大容量のロードバリコンが必要だが、
今入手できる高圧バリコンはリニアアンプからの外し品だろうし、
ロードバリコンは受信用430Pでも良いのだが....考えた末

バリコンも自作しようということになった。

以前スプリットステータ型を作ったが今回は普通のロータ、ステータ型
とした。

材料は金属板にしたいがレーザーカット、ワイヤーカットいずれも高価で
趣味には合わず、プリント基板で作った。
 
材質はt1.0 FR-4両面 パワーがすくないから大丈夫だろうと予想して作ったが
問題はおきていない。 

   
プレートバリコン

ステータは70Pと30Pぐらいに分けている。

30P側はハイバンドに使う、ローバンドは2つのステータを
ショートして100Pとして使う。
ハイバンド時の最小容量の制限に対処するため

100Pでも足りないバンド(1.8とか)はドアノブコンデンサを足す。



気を付けるのはローターのシャフトをしっかりアースに落とすこと

 

ロードバリコン

ちょっと大きくなってしまったが450Pぐらいはある。

気を付けるのはローターのシャフトをしっかりアースに落とすこと





     入手難3 バンドスイッチ

タンクコイルを切り替え、ショートしついでに入力同調回路も切り替える
そんな具合の良いロータリースイッチ、それも高圧大電流にも耐えるなんて
まあ入手は無理でしょう。

そこで全部リレーで切り替えることとした。

バンドごとどのリレーを動かすかはダイオードマトリクスで設定

回路の電流、電圧にあわせそれなりのリレーを使うこと
電流でリレーが溶けたり、端子で放電したり楽しめた。




   
入力マッチング回路

かなりいいかげん、何も考えずL型、逆L型としているが
アッテネータの方がよかったな。





   
ダイオードマトリクスとヒーター、バイアス回路

リレーは

RFCの切り替え
入力マッチング回路の切り替え
プレートバリコンの容量切り替え、コンデンサ追加
ロードバリコンのコンデンサ追加
タンクコイルのタップ切替と短絡

に使い22回路で30個以上のリレーを使った


   

内部はこんな感じ

回路は普通で特別なことはない

パラ止めは”Qが低くインピーダンスは少し高く”とかよくわからず
流行りのU字とした。

材料はタングステン線は無いのでバネ用ステンレス線とした。
表皮抵抗を上げるため表面をサンドペーパーでこする。

     
高圧電源

空いたスペースにはブロワーがはまり
アンプの下から吹き込んでいる。


     
なんかでかく重いものになってしまったが1.8から28MHzで使える。

今回の放電は1回、原因はわかっているがメータの分流器が燃えた。

とにかく高圧には注意


       
一度は作ってみたいと思っていたが完成することができた。

アンプ(パイマッチ)の設計は昔とかわらない。
プレート電圧と電流、係数(1.6-1.8)からプレート負荷抵抗を出し、Q=12でXC1,XL1+XL2,XC2を計算し
プレート容量、ロード容量、タンクコイルを計算する。(EXCELにおまかせ)
計算値で実物が動くようにするのだが試行錯誤やらで楽しい。


3極管GGアンプの入力回路は動かしてみないとインピーダンスがわからない。
今回は50Ω付近と低く、ちょっとやりにくい。


あとはスプリアス規制のチェックをして200WアンプとしてJARDで保証認定を受け免許された。





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