【舞台は宇宙へ】 衛星通信の先、 月へ EME編 2023年秋 | ||
衛星通信の設備は動き成果も出たが、さらにその先の月まで伸ばそうEMEを試みた。 しかしアンテナゲイン、パワーなど20db近く足らないので普通の局とはQSOは不可能。 そこで狙ったのは DL7APV 128八木 HB9Q 17mDISH NC1I 48八木偏波回転 の3局でいずれも衛星用システムに50WでQSO可能のようだ。 準備 1、アンテナ、仰角方位制御、プリアンプ は衛星用をそのまま使う アンテナは円偏波なので問題が発生するかもしれないがそのまま使った。 EMEでは送受で回転方向を切り替えなければいけない(月面での反射で回転方向が反転するため) 相手が円偏波でそれが不一致の場合QSO出来なくなる。 2,リグ はIC9700に変更。IC910は1分間の送受の繰り返しでドリフトがすごくダメ。 IC9700は外部より高安定度周波数標準を注入する。 ご存じのとおりIC9700は10MHzの注入は安定度向上に寄与しない。何もしないよりは良い程度 正しくは高精度49.152MHzを注入しなければいけない。 GPSDOと注入ボード 関税、FEDEXなどで35000円ほどする。 どの程度の安定度が必要なのかはわからないがウォーターフォールで変化が見えるのは良くないと判断した。 WSJT-Xの許容範囲がわかっていればよいのだが。 3、モードはWSJT-Xの「Q65」サブモードBの60秒を使う QSOを試みるときはHB9QのEME Loggerで英語でやりとりする必要がでてくるが、その中で ****CQ 432.63 1st Q65−60B 1500Hz CFOM **** というメッセージが流れる。 CQ : CQを出すよ 432.63 : 432.63MHzで(スケジュール周波数) 1st : シーケンスは偶数分(0,2,4,6,8分)に送信開始するよ 奇数分は2nd Q65-60B : モードはQ65 60秒ピリオドで サブモードはB だよ 1500Hz : スケジュール周波数の中の送信周波数(オーディオ周波数) CFOM : Constant Frequency On Moon Doppler Mode 月面においてスケジュール周波数となるよう送信/受信の周波数をドップラーを補正しなさいよ ということです。 4,WSJT-X 設定 「一般設定」でVHFとサブモード機能、シングルでコード、EME遅延考慮 の3つをON CATとかオーディオはFT8の設定と同じでリグとつながればよい メインの画面で「Q65」をON、「サブモードB」、「T/R60s」に 「F Tol」は100 「MaxDrift」は5 、 この2つはよくわからない 「表示」−「天文データ」で「月面で周波数を一定」にチェック、「ドップラー追跡」も その下のスケジュール周波数が、CTRLキーを押したままVFOを回して432.63MHz になるようにする。普通はTxRx同じ この状態でリグの周波数は 月の出 受信周波数はスケジュール周波数より高い、送信周波数は低い 月の入 受信周波数はスケジュール周波数より低い、送信周波数は高い となっているはずで、あとは月の位置に合わせ自動的にリグの周波数を合わせてくれる。 これで時間等あっていればスケジュール周波数のオーディオ周波数に相手が見えるはず。 見えたら呼ぶわけだ。 HB9QのEME Loggerを見ながら 聞こえた!、送信中、 周波数を少し変更、QSOありがとう のようなやりとりは必要 結果 QSOできるまで色々悩み時間はかかったがDL7APV、NC1IとはQSOできた。 HB9Qは見えたのだが1回だけ-28dBを貰っただけで終わり、偏波のことがあるかもしれないがいずれトライする。 2023/10/29 DL7APV send-13dB rcv-24dB 2023/10/28 HB9Q send-12dB rcv-28dB NotQSO 2023/11/25 NC1I send-18dB rv-25dB その他 VK4EME、K2UYH,VK2CMP、PA5Y、EA5CJ,DL2HWA などが-20dB台で見えた。 K2UYHは30年ぶりだがまだ元気なようでなにより。 30数年前のEMEは相手が聞こえているところへ自分のエコーが重なるようVFOを回してそれでQSOしていたが 今はパソコンにおまかせで楽になったものだ。 ただそのころより10dBとか20dB弱い信号でQSOができる時代には感心するが、その分周波数の精度とか安定度は 良いものが要求されるのではと思っている。 DL7APVは最初は疑っていたがその強さからダイポールでも聞こえるというのは本当と思う。 |